No.058 涌井学『感染列島』小学館文庫

現在、映画が大ヒット上映中

この本を読んで

容赦なくウイルスに冒され殺されていく人々…

虚無感が日本を包む中、
家族、恋人…それぞれの愛は消えませんでした

最後はとうとう使命をまっとうしたヒロインも亡くなってゆきます

No.40の地下鉄に乗ってでもそうでしたが
ヒロインが死ぬと喪失感が大きいよ…

普段、淡々と本を読んでいるのですが…

目頭があつくなりました




No.057 三浦展『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』光文社新書

んー

この本を読んで

今、15~22歳の女の子の2割がキャバクラ嬢になりたいといってるという…

それは現代の日本社会のトレンドを考えると必然的なものであったのかもしれない

短期トレンドとしては
・キャバ嬢のメディアへの露出(=人気がある)
・ケータイの普及で気軽に働ける
中期トレンドとしては
・雇用環境の悪化により正社員になれない(=経済的自立の必要性)
・今やりたいことは今やろうという意識(=若いうちにやりたいことを…)
長期トレンドとしては
・自由に働きたい(=好きなことをしたい)
・ジェンダーフリー(=経済的自立や女らしいことに価値がうまれてきた)
・現状享楽指向

これらのトレンドは、
女の子たちがキャバクラ嬢になりたいと思うようになった重要な要素群である

また、家庭環境も大きな要素であるともいう

・家庭での居場所の欠如
・家計の状態が悪い

これらもまた、女の子たちをキャバクラ嬢へ向かわせた


そして、学歴や社会経験のない女の子にとってもキャバクラ嬢という仕事は…

経済的自立の達成や客を満足させることにより
周囲から認められる数少ない魅力的な職業でもあったのである

キャバクラ嬢が人気な理由が少しわかったかもしれない^^;
社会のトレンドが女の子をひきつけるその魅力を更に輝かせていたのである

No.056 森達也、森巣博『ご臨終メディア』集英社新書

夏季休業中、森さんのメディアリテラシーの授業を受けました

この本を読んで

この本ではメディアの腐敗を暴露しています

司法、立法、行政に続く、第4の権力としてマスメディアは本来
それらの権力を監視する義務があるといいます

しかし現状は、、
ジャーナリズムは既得権益(=高い給料など)を守るために、
権力に阿諛追従しているといいます
また、視聴率稼ぎのためのバカ番組も垂れ流します

特権だけを受け取り義務をはたしていないというのです


弱者を守り、強者は挫くはずのジャーナリズムは機能していないのです

将来メディア就職を目指す自分にとって
少なくともそれに染まらない志だけはもっておきたい

No.055 竹内一郎『人は見た目が9割』新潮新書

強烈なタイトルに惹かれました

この本を読んで

この本は言葉意外のコミュニケーション(=ノンバーバルコミュニケーション)
が、いかに重要かということを主張しています


この本は安っぽいセミナー等で良く出てくる
言葉は全体の7%の情報しか伝えないという
メラビアンの法則に基づいてる訳ですが…

この法則は大嘘であるという意見が今は多いみたいですね

だから、93%が見た目(=声、表情、服装…)というのは
さすがに話を盛りすぎです
けど、それらは情報を伝達するとき、
ある程度重要な要素であることは間違いないようです

相手の本心を理解するために
言葉意外の情報を伝える要素、
下肢信号や胴体信号、ジェスチャー、表情など…
それらも意識するように心がけてみようと思う

No.054 清水美和『中国が「反日」を捨てる日』講談社+@新書

難しい問題です…

この本を読んで

最近、中国は怖いなぁ…威圧的だよなぁ…
なんていう世間の雰囲気がありますが、

この本は中国共産党が
対日強硬路線一枚岩であることを否定してます
国民や政権内部の圧力など複雑な理由が絡み合ったために
そうせざるを得なかったのです…

関係改善にむけて
胡がサインを出しているのに踏み躙った日本…

メディアの煽動による両国民の誤解…

互いのすれ違いが顕著に現れてしまっているのが現状であり
今こそ両国の発展のために関係を正常に戻すべきとの主張です


僕は中国にあまり好感を抱くことができませんでした…
それは少なからずメディアに洗脳されていたんだと反省しています

先入観を捨てて…
日中両国が国単位、人単位ともどもより友好になっていくことを切望します






No.053 鳥越俊太郎『人間力の磨き方』講談社+@新書

まさに憧れの的ですわなぁー鳥越さんです

この本を読んで

本全体を通して伝わってくるのは
人生における挫折や試練に対する鳥越さんの力強い対応の仕方です

また、取材においては現場や直感を大切に…
そして何よりも人間同士の信頼関係の構築に重きをおかれます

それは新聞記者になって、
キャスターを務めている今に至るまで
ずっと貫かれてきた信念なんだな、と感じました

本書の中で
将来メディア就職を目指す人へ向けて、
アドバイスもあり
、とても参考になりました



No.052 太宰治『斜陽』新潮文庫

太宰さんです

この本を読んで

1945年…
日本敗戦後の混乱の中で没落していく貴族たちの物語

最後の貴族として生きた母…
生きるための目標を探し続けるかず子…
生きることに疲れ果て自殺した直治…
呑んだくれて将来を誤魔化す上原…

破滅していくものたちの複雑で不可解な心中が読み取れる

んー、。
まだまだこーゆー作品のすばらしさがわからない…
そーゆーチカラはどんどん本を読むことによってしかつかないのか





No.051 水月昭道『高学歴ワーキングプア』光文社新書

読書メモをとり始めて約3ヶ月…
とうとう50冊を超えた…
読書が苦しいものではなく、
知識が得られる楽しいものに変わりつつあります

読書は僕にとって将来の不安からくるプレッシャーのために
もはや義務とも思えてきました、引き続きがんばります

この本を読んで

現在、大学院博士課程を修了した、
いわゆる高学歴の若者の就職率はおおむね50%だといわれている

言い換えると、学歴構造の頂点まで達したと言っても良い
これらの若者の50%はフリーターなどの非正規雇用に従事している


こーした現状は…
文部科学省と東大法学部が自らの既得権益を守るために
大学院重点化計画を推し進めた結果であった

その計画により、コネもなにもない新規の大学院がうまれ
最初から就職できるあてもない院生が大量増産されたのだ

ではナゼ彼らは既得権益の維持のためにそれを実施したのか

少子化により大学市場の急激な縮小が起きれば、
文部科学省は各種補助金や天下り先の確保が苦しくなるし
東大法学部は自学からの教員派遣先が減ってしまう

だ・か・ら、、大学市場を維持しようと院生増加を奨励したのだ

それはもはや既得権益にしがみつくもの達の陰謀でしかなかった

筆者は、
民間企業は博士の採用に消極的という事実や
研究者としてのポストも圧倒的に不足していることを理解しながらも、
文部科学省の大学院重点化計画に乗ることで得られる割当に目が眩んだり、
経営のために学生を裏切った多くの法人についても強く批判している

四十年前なら確実に学生闘争です
若者の有能な頭脳はこの国のかけがえのない資源なハズ

それを殺すような計画は早くやめるべきですよね


No.050 青木保『多文化世界』岩波新書

こないだの人類学のテストで
「文化相対主義」の問題点を的確に答えられたかどーか
わからなかったので、復習してみました

この本を読んで

いくら文化が違うといっても、、

理由なき「殺人」は許されることはないし、
理由があってもその理由は文化の違いに還元できる
性質のものではないはず…

スターリンによる大量虐殺やナチスによるホロコースト…
筆者はこれらを文化相対主義では弁護できないとします

人間の生命を尊重するという基本的な立場から見れば、
そーゆーことは許されることはなく、
それは文化相対主義で片付けることはできないのです

このよーな例を出して筆者は

文化相対主義を考えるときには

人間の共通の意識、
人間が守るべき基礎的な道徳や、
公共心の成立を期する事が不可欠で、
その上で、初めて、そこにすむ人間が
文化を表現する意味があることを知る必要があると繰り返し述べます



また筆者は文化の持つ力(=ソフト・パワー)についても述べています

これは、自国の文化的魅力を発揮して国の好感度を上げて
軍事力や経済力(=ハード・パワー)を使わずして相手国を同調させるとゆー力であり、
筆者はこの力を高めることは重要であるといいます

しかし、筆者は文化の持つ力を互いに高めあい、
グローバリゼーションの中で人間の交流、文化の交流、あるいは仕事面での交流を
うまく果たしていくことに活用していく
ことを主張し、それが大切だといいます。
政治経済、技術、そして社会が一致協力して進んでいくところに現れるものが
筆者の主張する「多文化世界」だそーです

ちょっと抽象的な感じもしますが、
当初の目的…文化相対主義の問題点のひとつは理解できてよかったです

No.048 川端康成『雪国』角川文庫

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった

この本を読んで

冒頭の名文句が有名な
川端康成の最高傑作のひとつ雪国…

駒子の純粋で激しい愛情が
ゆきずりの愛以上を求めない島村に虚しく映し出されます

激しいそれに答えようとしない島村にじれったさを覚えます

このふたりはどーなってゆくのか…
それを考えページを急いでめくりました

時より小説に出てくる葉子という女も
島村の気を惹く存在となってゆき、関係も複雑さを増していきます

ひとりの芸者の純情を
雪国という独特の暗い雰囲気の中で切なく描いています

No.047 パオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』ちくま新書

以前、No.28のパオロさんの本がおもしろかったので再び

この本を読んで

人は正しさだけでは興味を持ってくれない。
人はその正しさをおもしろいと感じたときにのみ、反応してくれるのです

…この文書は本書の表紙に書かれていた言葉です

たとえば、血液型なんちゃらの本とか
最近ブームになって、みんなの注目集めてますよね~

一方、これは論理的じゃないとかって書かれた批判書は無視されます

正しさにこだわる限り、論理力やメディアリテラシーなどは負け続けるというのです

一般的に血液型占い、とか日本以外全部沈没だとか(笑)
突飛な発想を創造することができるのは奇才・天才・鬼才とよばれる人たちであります

論理力を武器に正しさを求め批判してる限り、秀才・凡人は彼らに負け続けるのです

筆者は学者・識者などの秀才や凡人など創造力がない人は
「つっこみ力」を身につけろといいます


「つっこみ力」とは、、
それをわかりやすく、常識の権威を恐れず、そして面白くする力です

ボケ(奇才・天才・鬼才)が創造したものを批判して減点するのではなく、
付加価値をつけるべくおもしろく伝えるようにしろといいます

秀才がつくりあげた理論、学問(特に社会学・経済学)なんて
純粋な事実なんかではなくフィクションなんだから(笑)
社会学批判も忘れていません、笑

正しさなんか気にしないでおもしろさを重視すべきだというのです



No.046 水野直樹『創始改名』岩波新書 

ゼミの准教授一押しの一冊

この本を読んで

創始改名といえば一般的の教科書などでは、
朝鮮人の姓名を日本風に改めることで、
朝鮮人を日本人と同化させる、つまり同化政策の一環であると理解されてきた

また、最近ではインターネット上などで

朝鮮名を維持した者もいたので、必ずしも強制ではなかった
創氏は義務だったが改名は任意だったので、全体としては強制ではなかった
内地や満州在住の朝鮮人をはじめ、多くが日本名を望んでいた
戸籍に姓の記載は残ったので、朝鮮人の名前を奪ったとはいえない

などの強制性否定論も蔓延っている

現首相・麻生太郎(当時、自民党政調会長)に至っては
朝鮮の人が名字をくれと言った」とまで述べている
(↑これは正直、論外のような気がするが…)

本書はこれらの議論が
一面的なものにすぎないものであることを伝えようとしている


実際、同化政策・内鮮一体を掲げておきながら、
結果的には内地にない日本風の創氏を奨励したり、
改名に関しては放任しているところから見ると、
日本人が朝鮮人との差異を残したいと思っていたという意志が読み取れる
(*朝鮮人も朝鮮民族として、差異を残したかったのでこれにのった)

また、氏設定届け出率は当初非常に低調であり、
焦った総督府があらゆる手段を講じて、創氏をさせていたり、
内地で生活している朝鮮人が差別を受けないために創氏したというところからは
創氏の非自発性が窺え、強制的であったということが読み取れる

創氏改名は強制的で差別的であり、
朝鮮人に家制度をむりやり押し付け、
天皇への忠誠心を植えつけることを目的としたものであるのだ